新車をぶつけられた、格落ち損害は認められるか?

昨日のこと、お客様からご相談を受けました。

「道路の路肩で駐車していたところに車が突っ込んできてぶつけられた。

こちらの過失はゼロで相手の過失が100%ですべて修理してもらうが

ちょっと相談したいことがあります。

この車はまだ買って1年くらいで3000kmくらいしか走っていないが

『格落ち』は認められないのか?」

 

よくある質問です。きっと皆さんもそう思う事でしょう。

しかしながら、各保険会社の回答は残念ながらほとんどのケースで

『格落ち損害は認めない』と言う事なのです。

 

評価損(格落ち)とは、交通事故で車に損害を被った場合に保険会社は

修理代はすんなり払ってくれると思いますが、修理すれば完全に元通りに

なるというものではありません。車の外観や機能に欠陥が生じることもあります。

また、こういった事故歴・修理歴があると、事故車(修理車)として扱われること

となり、将来下取りや売却の際に 価格価値が下がってしまいます。

この価格の下落を評価損(格落ち)といいます。

 

格落ち損害を請求して認められるケースとしては

新車で買ったばかり、と言っても3ヶ月以内もしくは半年以内が限度である、

または年式が古くなっていても近日車を売る予定ですでに買い取り査定額や

下取り金額が決まっていて、今回の事故車となったことで査定額が下がったと

明らかに証明できる場合などです。

それについては、者側から証明する必要があるために、事故日前に取った

買い取りの見積りや、同程度の車の相場を証明するもの、事故車になった場合の

査定額など具体的な資料を提示していかなければ保険会社は聞く耳をもってくれません。

また「修理」が前提であるために「全損」となった場合は請求できません。

 

なお、格落ちが認めてもらえる判例の価格相場は、修理費の10~30%となっています。

新車であればあるほど許容される確率が上がります。

損害賠償では、「原状復帰」をされていれば賠償責任を満たしたと考えるために

必ずしも完璧に元通りになっていなかったとしても、それに近い状態で修理され

ていれば賠償責任を果たしていると解釈されます。

 

者側の気持ちを考えると、確かにその通り「格落ち損害」を請求したくなります。

人身事故の場合であれば、慰謝料の増額や後遺症認定などで保険金の額を増額させる

交渉の余地はまだあるのですが、車両損害などの物損においては慰謝料の項目がなく

金額の調整できるところがほとんどなく、 、事故のケースによっては保険会社が認めた

場合に限り「示談解決金」という名目で増額して支払われたケースもありますが

この交渉には相当な時間がかかりました。

 

物の価値とは、時間が経てば下がっていくものであり 、物は壊れる前提である。

修理可能であれば修理をする、修理不能であれば全損となる。

新車でも納車した瞬間から車になる。

保険会社の格落ちに対する抵抗は並大抵のものではなく、消極的であるため交渉は

非常に厳しいものになると考えてください。

 

「それなら裁判でもする!」と意気込んでしまうかもしれませんが

その労力に対してなかなか報われるものではなく、仮に認められたとしても

数万円程度のことです。

多くの時間と労力をかけて数万円を勝ち取る努力は気持ちとしては満足するのかも

しれませんが、その時間と労力を仕事の方へ向けたらもっと稼げることでしょう。

 

全てのケースにおいて格落ち損害が認められないという訳ではありませんが

この様に多くのケースで否認されることをご了承ください。